藍染について

やまうちの藍

ジャパンブルーともよばれ世界に知られる日本の伝統色である藍。

人類最古の染料ともいわれる藍は、その伝統を受け継ぐ徳島の藍師によって守られ現代にその鮮やかさを残してきました。
なかでも天然藍の持つ美しさや風合いは化学染料では出すことのできない深い色合いが特徴です。

当社では藍の自家栽培から、伝統製法での染までを一貫して行い、こだわりを詰めて商品として送り出しています。

手間暇をかける藍

昔ながらの藍染は時間と携わる人の力がとてもかかる作業です。
そのため、化学染料が広く普及されてから時代の流れとともに、藍師や職人はどんどん減少傾向にあります。
ただ、その手間暇をかけるからこその深い色合いと徳島で続いてきた阿波藍の文化を未来へ残すため、私たちは手間暇を惜しみません。

#01藍の植え付け

良質の藍を育てるため、適度に水はけもして栄養のある土にするためしっかりと耕した畑に、種から発芽させた苗を植え付けていきます。 専属の藍師の指導を受けながら、機械と人の手を使って作業をしていきます。 植付のあとはたっぷり水やりをして生育を促進します。

#02刈り入れ

草の間引きや雑草の処理、虫の駆除を続け、夏になると藍の葉が青々と茂ってきます。 このころには葉の背丈も60cmを超える藍。十分に育った藍の葉を刈り入れ機を使いながら収穫していきます。 季節は夏まっさかり、収穫は天気との勝負です。

#03藍こなし

収穫した藍の葉を乾燥させる工程です。
刈り取った藍を刻み、大きな送風機で藍の葉と茎を選別し、必要な藍の葉だけを集めて乾燥させていきます。
不純物ができるだけ混ざらないよう、丁寧な選別としっかりと乾燥させる行程をこなすことが上質な色合いを出すためにも過酷で重要な工程です。

#04すくも作り

乾燥させた藍を寝かせ、水分を加えながら発酵させます。
発酵によってすくも自体の温度も70度近くに上がる中、気温や湿度の変化に併せて発酵に必要な水分と酸素をすくもに混ぜ込むため混ぜて、切り返す作業を5か月繰り返していきます。

#05藍建て

完成したすくもを使い、仕込みをしていきます。すくもや灰汁、麸(ふすま)など、熟成に必要な成分を加え藍甕の中で発酵を進めていきます。この発酵建ては手順が多く管理がむつかしいことから昔は地獄建てとも呼ばれていた工程です。

#06染色

鮮やかな藍から深い藍まで。
商品や素材にあわせて、様々な色合いと柄で職人が染色していきます。
阿波藍を纏う楽しみをぜひ知ってもらいたいという思いで私たちは今日も藍を育てます。

“ 畑から藍をつくる理由 ”

藍の生産量は昔に比べて減少しています。
徳島の伝統的な染料である阿波藍を将来に残すため、
できるだけより良質な葉藍に近づけるため。
何より、自分たちが思い切り藍染をして、
よりよい商品をお届けするためにこれからも
自家栽培を続けていきます。